急変に注意!アナフィラキシーとは?

特に注意が必要
薬を使用する際のリスクとして特に注意が必要なのがアナフィラキシーです。薬を使用した後、その薬の成分に対抗する抗体が体内にできると、次に同じ薬を使用した際に免疫反応が引き起こされる可能性があります。短時間のうちに全身に症状が生じることが多く、主な症状はかゆみや蕁麻疹などの皮膚症状、息苦しさ、めまい、脈が速くなるといったものです。アナフィラキシーによって急激に血圧が下がり、意識障害に陥った状態をアナフィラキシーショックといいます。アナフィラキシーショックになると、数分で命を落とすこともあります。ハチの毒や食べ物でもアナフィラキシーショックは起きますが、薬を原因とするものが割合としては最も多いです。
症状が出た際は一刻も早く救急車を呼ばなければなりません。意識がなかったり心肺停止になったりした場合には、胸骨圧迫、人工呼吸、AEDなどの処置も必要になるでしょう。また、一旦症状が治まったとしても、自己判断せずに医師の診断を受ける必要があります。アナフィラキシーショックが起きた際の応急処置については、以下のサイトを参考にしてください。
薬の使用者に求められること
最初は軽症に思えたものが重症化する可能性もあります。そのため、アナフィラキシーが疑われる場合は医師または薬剤師への相談が必要です。少しでも「アナフィラキシーかもしれない」と思った場合は、その薬の名前をお薬手帳に記録し、病院に行った際にその旨を伝えましょう。家族に起こったアナフィラキシーが自身にも起こる可能性があるので、その場合も同様にお薬手帳に記録することをおすすめします。
注意が必要な薬
アナフィラキシーは解熱鎮痛剤などの日常的に使用する薬によって引き起こされることがあります。用法・用量を守って使用してもアレルギー反応が起こる可能性があるので、注意が必要です。アナフィラキシーを引き起こす主な薬としては、解熱鎮痛剤、抗菌薬、抗腫瘍薬、局所麻酔薬、筋弛緩薬、造影剤、輸血製剤、生物学的製剤、減感作療法(アレルゲン免疫療法)などが挙げられます。
また、ハチの毒や食べ物によるアナフィラキシーにはIgE抗体が関係しているのに対して、薬によるアナフィラキシーはIgE抗体が関わらない機序でも引き起こされます。
まとめ
このように、アナフィラキシーは重大な症状を引き起こす可能性があります。その他にも、スティーブンス・ジョンソン症候群や中毒性表皮壊死融解症といった副作用が起こるリスクも考慮しなければなりません。いずれも、市販の薬でも起こり得る副作用です。薬の使用には十分な注意が求められます。