注意したいのは「誤嚥」

注意したいのは「誤嚥」

誤嚥を防ぐ

薬を服用する際に注意したいのが誤嚥です。誤嚥とは、飲み込んだものが誤って気管に入ってしまうことです。特に注意が必要なのは飲み込む力が低下している高齢者です。誤嚥によって生じる誤嚥性肺炎は、高齢者に起こる肺炎の7割を占めており、最悪の場合死亡することもあります。
嚥下障害が薬の副作用で引き起こされるケースも少なくありません。薬の副作用による嚥下障害は薬剤性摂食障害といいます。アレルギーや頻尿の薬、抗精神病薬などは副作用で口の中が乾燥します。睡眠導入剤や抗不安薬は筋肉の伸縮性を緩める副作用があります。一般的には軽い部類の副作用ですが、嚥下機能が低下している高齢者の場合は注意が必要です。
また、嚥下機能が低下したことが原因で薬を飲みづらくなり、服薬を中断してしまう人も少なくありません。加齢や身体麻痺などによって咽頭周辺の筋力が低下すると、錠剤を飲むことに対してストレスを感じやすくなります。これを理由に服薬を中断し、病状が悪化してしまいます。最近は2種類の有効成分を含む配合剤が使用される薬も増えましたが、通常よりもサイズが大きい傾向にあるため、それが飲みにくさにつながり服薬を中断する人もいます。

飲みやすくするための工夫

誤嚥を防止するためには薬を飲みやすくするための工夫が必要です。その1つとして挙げられるのが、オブラートの使用です。紙状、袋状、カップ状のものがあります。紙状であれば、お猪口などの小さくて少し深さのある容器に水をはり、その上に薬を包んで水ごと飲むといいでしょう。
とろみ剤は、食事だけでなく薬の服用にも活用できます。病状に合わせて濃さを調整します。ただし、濃すぎると胃に届くまでに時間がかかり、薬が食道にとどまってしまう可能性があるので取り扱いには注意が必要です。
薬は同じ有効成分や規格でもメーカーによって形状や味、大きさなどが異なります。いくつか選択肢があるので、その中から最適な薬を選ばなければなりません。例えば、飲み薬ではなく、同様の効果を期待できる貼り薬に変えるといった方法もあります。
服薬補助ゼリーの使用もおすすめです。アルミパウチ包装の服薬補助ゼリーは、1回で使う量を容器に取り分けて薬を混ぜ、スプーンですくって飲みます。嚥下障害のある人向けに、包装のキャップ部分に取り付けられる専用のストローなども開発されています。オブラートや服薬補助ゼリーにはいくつかの種類があり、それぞれ特徴が異なります。以下に、オブラートや服薬補助ゼリーを選ぶ際に役立つ情報がまとめられているサイトを紹介します。こちらも参考にしてください。